概要



所長挨拶

本願寺史料研究所は、第23代勝如宗主の発起により1956(昭和31)年4月に設置された本願寺史編纂所にはじまります。1961(昭和36)年の親鸞聖人七百回大遠忌法要を目前にひかえたなかでの出発でした。

編纂所は、本願寺の貴重な法宝物類の調査・研究や本願寺関係史料の蒐集・調査・研究・保存・史料集刊行などに取り組むとともに、本格的な本願寺の歴史叙述をめざしていました。その成果は、『本願寺史』全3巻をはじめとして、さまざまな史料集の刊行などに結実していきました。そして、編纂所は、1967(昭和42)年に現在の本願寺史料研究所へと発展し、半世紀が経過いたしました。

その間、本研究所は、本願寺のご歴代宗主の『余芳』の刊行や、本願寺および地方寺院関係の史料調査・研究を蓄積することによって、原史料の翻刻による史料集『本願寺教団史料』の刊行などを行ってまいりました。また、2011(平成23)年の親鸞聖人750回大遠忌法要では、「本願寺展」や「親鸞展」といった関連の記念事業にも積極的に取り組んでまいりました。その実績を活かして、2016(平成28)年10月から2017(平成29)年5月まで修行の第25代専如門主伝灯奉告法要でも、引き続き、本願寺の法宝物に関連する各種記念事業への協力を行っています。

同時に、現在までの研究状況を反映し、より充実した本願寺の歴史をまとめることで宗門の発展に寄与すべく、『増補改訂 本願寺史』第1巻、第2巻を刊行し、続巻の刊行準備を進めております。

今後とも宗門の歴史に関わる研究所としての使命と職務を遂行するため、寺院や地域の史料調査・研究への要望にも応えてまいりたいと考えております。引き続き、本願寺史料研究所の活動にご理解とご支援をお願い申しあげます。

2017(平成29)年4月

本願寺史料研究所 所長 赤松徹眞

沿革

本願寺史料研究所は、1948(昭和23)年1月9日設置の「真宗史編纂所」、そして同編纂所を改組充実させて、1956(昭和31)年4月1日龍谷大学大宮学舎図書館に開設された「本願寺史編纂所」を前身としています。

「本願寺史編纂所」は本願寺第23代勝如宗主の発起により、親鸞聖人700回大遠忌記念事業として、本願寺の歴史をまとめる『本願寺史』編纂のため設立され、同時に学界への貢献も目的とした研究機関です。

設立当初のメンバーは龍谷大学の文学部史学科の教員を中心に、所長は森川智徳龍谷大学学長、禿氏祐祥主監、宮崎圓遵主任、二葉憲香編纂委員、津本了学編纂委員、谷下一夢編纂委員などでした。

本願寺史編纂事業が終わりに近づいた1967(昭和42)年9月30日に本願寺の歴史をさらに調査研究するため、現在の本願史料研究所に発展しました。

「本願寺史編纂所」の主要な研究業務であった本願寺史編纂は、『本願寺史』全3巻(1961・68・69年)及び年表(1981年)・索引(1984年)が随時発刊され完了しました。この『本願寺史』は中世から近現代までを対象とし、多彩な史料に基づく実証性を重んじた、体系的真宗史研究の学術書となりました。

この編纂事業過程において本願寺法宝物・編纂所保管文書の調査・研究はもちろんのこと、全国各地の所属寺院約950ヶ寺の所蔵文書、各図書館・研究所の研究機関約60カ所の調査・研究が実施され、膨大な真宗史や日本史の史資料が収集されました。その結果、当研究所は真宗史資料の所蔵・保管については、質量とも全国屈指の存在となりました。

現在の研究所は、収集した史資料と編纂所時代の調査・研究事業の成果をすべて受け継ぎ、他に類を見ない、真宗史資料の調査・保管や、その歴史・文化の研究、文化遺産保存を担う機関に成長し、さらなる展開を目指しています。